リンさんの旭川滞在日記2

前回に続き、旭川で暮らし始めて間もない台湾生まれの林春蘭さん(りんしゅんらんさん)の滞在日記を紹介しましょう。
日本語がとてもお上手なリンさんは、去年の夏に、ご主人の仕事の都合で中国の北京から引越して来られました。リンさんの国ではこれから、お正月を迎えることになるそうです。
早いもので、一年がまた過ぎてしまいました。日本で何年間か住んでいて、年の変わりゆく時期、私の目に入ったちょっと面白い風景が幾つかあります。
例えばクリスマス。仏教や神道に比べ、日本ではキリスト教徒の数が本当に少ないと思います。でも、毎年12月の初めから、日本中すっかりクリスマスの気分になります。ジングルベルのメロディ、クリスマスの飾りなどで溢れんばかりです。キリストの誕生を祝うのではなく、経済が裕福になった日本では、特に大都会の人々が食べ物や買い物をすることに夢中になります。日本も世界中のどの国にも負けずに、クリスマスをお祝いしています。
そして、12月25日の翌日クリスマスの影は何処にも見当たらず、町中の雰囲気ががらりと変わって、今度は、松飾などの和風の新年グッズの登場です。それは、まるで魔術みたいです。日本の伝統的な新年の風習に、外国人の私も興味津津です。特にお正月の零時からの初詣で、人混みの中で(東京の明治神宮)除夜の鐘を聞き、神社やお寺に神様の祝福を頂きに集まってくる皆さんを見て、私はこれこそ、日本の魅力だと思っています。新年は、昔から日本の祝日であって、祝われて来ましたが、さらに西洋のクリスマスも日本人の皆さんが抵抗無く祝うのを、ときには不思議に思ったこともありますけど、地球が小さくなったとも言えるでしょう。
世界中のどの国も新年を祝います。でも、宗教や文化によって、必ずしも西暦の1月1日が、新年だとは限りません。台湾の人々が中華文化を受けついで来たため、陰暦(農暦)の1月1日が本当の新年として、みんなが祝い、動物の十二支もこの日から正式に交代します。ちなみに、今年の陰暦のお正月は2月12日で、馬年ですけど、日本の馬が、私達の馬より早く走り出しました。
向こうでは「除夕(ツウーシ)」と呼ばれる日は、日本の「大晦日」に相当し、お嫁に行った娘さん以外、今まで仕事や進学のため、実家にいなかった家族のメンバーズは、必ずこの日に帰ってきて、全員揃い「年夜飯(ニエンイエファン)」を食べます。食卓には縁起の良いもの、お餅、魚、鶏肉に、みかんなどがたくさん並びます。中国のお正月はとにかく賑やかです。お正月の零時から、町のあちこちで夜明けまで、迫力のある爆竹が聞こえてきます。初めて聞く人は戦争にでも巻き込まれたかと思うほどびっくりするでしょう。残念だけれども、北京や上海や台北など大きな都市では、安全上の理由で爆竹は禁止されています。子供たちに「圧歳銭(ヤスエイチェン)」(お年玉)をあげるのは日本と同じで、遠くにいて会えない親戚や友人には年賀状を出します。ただ一般的には、直接それぞれの家に新年の挨拶「拜年(バイニェン)」をします。お正月は「春節(ツンジェー)」とも言い、15日間も続くため、たくさんの習わしがあります。
長い話になってしまいましたけれど、台湾に住んでいた時、お正月のような伝統的な祝日をたいしたことはないと思っていました。ところが、いったん外国に住んでみて、改めてその良さを身にしみて感じます。それこそは、自分の文化であり根本でもあることを忘れないで、他国の文化も尊重しながら、異国の生活を楽しんで行きたいと思っております。









