ぷくぷく・リンさんの旭川滞在日記

リンさんの旭川滞在日記5

リンさんの旭川滞在日記5

     

日本語を上手に話し、すっかり旭川の生活に溶け込んでいる林春蘭さんは、最近、尊敬語をさらに勉強中です。さて、今回のリンさんの旭川日記は・・・。

 テレビのお蔭で、世界中の情熱を巻き上げるサッカー・ワールド・カップの試合を現場に行かなくても、思い存分見る事が出来て、本当によかったです。生まれてから、サッカーの試合をまともに見るのが初めてで、安くて解説付きのテレビ中継で試合を見ているうちに、私も少しながら、サッカーのことが分かってきたような気がします。付け加えて言うと、「フーリガン」の言葉も初めて耳にしました。(因みに、私の国では「失控的球迷(しぅこんでぇちぉーみ)」―――コントロールを失ったファンと言っています。)

 ご存知の通り、「フーリガン」とはサッカーの試合中に興奮のあまり、暴行に走り出すファンのことです。今回のワールド・カップで、「フーリガン」の入国審査や警備を厳しく取り締まるところをテレビで見て、日本政府が苦心するのはよく分かりますが、一方、テレビ局があまりにもフーリガンのことばかり放送していたので、西洋人はイコール「フーリガン」だと思われるほどでした。私は外見から見ても「外人」ぽくないので、助かりましたが、日本人がイメージする「外人」の「人」だったら困っているようです。つい最近、私のイギリス人の友人がある役職の方に国を訊ねられました。「イギリス」と答えたら、「あなたの国からフーリガンがたくさん来るでしょう?」とニヤニヤしながら言いました。私もその時一緒にいたので、その話を聞いて、二人とも呆れてしまいました。その役職の方は冗談のつもりで言ったと思いますが、友人のプライドはかなり傷ついたようです。
 今までのワールド・カップのほとんどがヨーロッパの国々で開催され、列車や船で、簡単にしかもすぐに行ける距離なので、フーリガンが集まりやすいのです。大金をかけ、太平洋を越えて、日本でフーリガンになろうとしても、事実上は不可能であることが数々の試合に対する観客の行動で証明されました。むしろ六本木にいる日本の若者が心配されます。

 ところで、あのフーリガンの国から来たベッカム選手が、女性だけではなく、若い男性の間でも「ベッカム・ヘア」が流行るくらい大変人気を集めたようです。政府側の「フーリガン心配症」と一般の人々の関心との食違いを見ると面白いです。